情報科学芸術大学院大学（IAMAS）修士作品

IAMAS 2021 情報科学芸術大学院大学 第19期生修了研究発表会出展

本作品はメディアを介した空間の知覚をテーマにSNS等によってもたらされる情報によって疑似的に創造された体験とその体験によって阻害される実空間における生の体験を表現した映像インスタレーションである。
本作では展示場所であるソフトピアジャパンセンタービルを題材に、SNS上に投稿されたイメージを撮影のルールとして設定した映像と筆者が撮影した映像を重ね合わせることによってメディアを介して受容された他者のイメージによって再構成された現実を表現した。
スマートフォンなどに代表されるスクリーンを介した情報を基準として実空間を知覚している現代の我々にとって今知覚している空間は自身の感覚からもたらされたものなのかそれとも他者のイメージによって作られたものなのか判断はつきにくい。本作では作者の感覚をできるだけ廃し、SNSなどに流れている他者によって撮影された場のイメージから得られる情報を素材として再構成することで、他者のイメージによって形作られた自身の意識下における場のイメージの創造を表した。